書評:メイカーズを読んだこと

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

MAKERS 21世紀の産業革命が始まる

棚卸し15日目*1Engadgetを観てるとKickstarterなどで新しいガジェットの出資を募っている。3Dプリンタの出力サービスが増えてきている。コンシューマー向け卓上3Dプリンタが出てきている(その1その2)。日本だとニコニコ技術部で個人とはとても思えないものを作っているし、Maker Faireも開催されている。ここしばらく電子工作なんかが盛んだなーと思っていたところでちょうどこの本を読んだ。
フリー 〈無料〉からお金を生みだす新戦略の時も思ったが、アーリーアダプター〜アーリーマジョリティ向けにタイミングよく紹介するのがうまい人だと思う。上に上げたようなことはまだまだ商売としては成り立たないのかなと思っていたが、そんなことはなく、実際にビジネスにしてる人たちの例が豊富に出てくる。考えさせられたことの一つは、オープンソースハードウェアのこと。今のお仕事だとハードウェアはほとんどクローズドで当たり前。クローズドソースが今でも一定の割合を占めている様に、ハードウェアもそれは残るだろうが、気づいたらオープンソースハードウェアが日常に入っていたなんてこともありそうで、せっかくオープンソースソフトウェアに関わっているのに、ハードウェアのオープン化には気づいてなかった、なんていう中途半端なことにはならないように気をつけたい。
本の内容からして楽観的なのはやむを得ないんだけど、最後のオープンソースのバイオテクノロジーなんてのは特に恐ろしいなぁと思った。現在のバイオ系の研究室には厳格な取扱施設の定義があると思うが、誰でも触れるようになると不注意な人もでてきそうで、なにかが蔓延した日にはそれこそSFの世界だ。


今年は前半に南極点のピアピア動画も読んだが、メイカーズを読むとこのSFを想起させられ、同じ認識の上にあるようで、興味深かった。

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

南極点のピアピア動画 (ハヤカワ文庫JA)

*1:そろそろ何か手を動かして書きたいもんだが、年末は忙しい…